病気のことを知ってみよう


<おしながき>

1.症状を知ること

2.精神科の自覚症状(長くなります。すみません。)

3.症状が出る仕組みと薬が効く仕組み



1.症状を知ること

 一言で「精神科の病気」といってもたくさんの種類があり、人によってその症状はさまざまです。
  ほとんどの場合、ある日突然に、しかもいっペんに病気が起こることはありません。少しずつ症状が出てきて、はじめは病気なのかよくわかりませんが、そのうちいろいろな症状 が現れてきます。

例)風邪の場合

  朝おきたときになんとな<体か重い・ちょっぴり寒気がする

  ↓ (この段階では病気をしたとは感じにくい)

  くしゃみが出る・咳が出る・鼻水が出る・…自覚症状

  ↓ (病気かと感じて医者へいく)

  のどに炎症がある・38度の熱がある・検査をしたら白血球が増えている                   

        ・・・他覚症状

自覚症状を病気のサインと自分でわかることが大切‥‥早期治療につながる


2.精神科の自覚症状

@不眠

 不眠にはいろいろなタイプがあります。 睡眠時間には個人差があり、たとえ一晩眠れない日があってもそれほど心配することはあ りません。
 ただ、3〜4日も眠れない日が続くときは大事なサインであることが多いので 必ず主治医に相談しましょう。
★特に、眠れないことがまったく苦にならないとき、「眠らなくても大丈夫」と思えるとき は要注意です。

Aいらいらしたり落ち着かない気持ち

 誰だって多少いらいらしたりするものですが、それが1日中続いたり、少しの間も落ち 着かずにじっとしていられないようなときは症状である可能性があります。
 ★こういう状態が長く続くと誰かにいらいらした気持ちをぶつけたくなります。その結果家族や友人などとけんかになってしまうこともあります。
  ★時に、薬の副作用である場合もありますが、素人判断をせず、必ず主治医に相談しましょう。

Bうつ状態

 元気が出なかったり、意欲がなくなったりします。今まで興味のあったことや、新聞・テレビにも関心がなくなり、将来を悲観し、絶望的な気持ちになったりします。
 この症状が ひどくなると、物事を悪いほうにしか考えられなくなり、「生きていても仕方がない」と思 い込み、自殺を試みることさえあります。なるべく早く主治医に相談するペきです。
  また、多くの場合不眠を伴います。
  ★うつ状態のときは、「どうせ自分の気持ちは誰にもわからない」と思いがちですが一人で悩んでいてもなかなか解決しません。誰かに声をかけることさえ大変な時ですが、とに かく誰かに相談してみてください。

Cそう状態

 やる気が満々で、何でもできるような気持ちになり、自分のやることすペてが正しいと 思ったりします。
 普段より、ずっと口数が増え、外出も多くなり、金遣いが荒くなったり します。周囲の意見も耳に入らなくなっていらいらしたり、家族とけんかになってしまう こともあります。
  ★自分では、なかなか気づきにくいので早めに対処することが大事になります。
  ★不眠を伴いますが、眠れないことがあまり苦にならないことが特徴です。

D周りの物音や光に敏感になる 

 普段なら気にならないようなちょっとした物音がひどく気になったり、光がとてもまぶ しく感じたりします。
 このような状態の時には、脳か目覚めすぎた状態になっているのか もしれません。こういう状態が続くと、だんだんそれらのものと自分が関係があるように思えてきたりすることがあります。
 まずは十分に休息をとり、脳の働きを休ませることが必要です。

E被害的な気持ち

 何か「悪いことが起こる」感じが強くなる状態です。「誰かが自分をねらっている」「誰 かが自分の悪口を言って回っている」といった気持ちになります。
 それが現実にないこと であって周囲の人があまり取り合ってくれないとますます不安になり、孤独になってしま います。この状態が強くなると外出や病院へ行くことも難しくなるでしょう。そうなる前 に早くサインをとらえて相談しましょう。
  ★「誰かに監視されている」「盗聴されている」「食へ物に毒が入れられている」なども同 様な症状です。

Fほかの人の考えが伝わってさたり、自分の考えが回りに伝わっていくような感じ

 実際に話をしないのに誰かの考えや命令などが伝わってきたり、逆に自分の考えが誰か に伝わったり、秘密にしているはずのことが周りに伝わってしまっているような感じがし たりします。
 この状態が続くととても不安になり、混乱した気持ちになってしまいます。 まただれかに操られているような感じがするのもよく似た状態です。

G引きこもり

 今まで出てきたようなさまざまな症状からくる不安などから、誰にも会いたくなく、1日 中家や布団から出られなかったりといったことが何日も続きます。
 引きこもることがいつ も悪いということではありませんが、あまり長く続くといろいろな障害が起こってきます。

H幻聴

 人によっては、周囲の人には何も聞こえていないのに自分には実際に人の声や物音が聞こ えるように感じることかあります。これを「幻聴」といいます。
  多くは悪口だったり、非難されたり、指図されたりといった嫌な内容のことが多く、耐え 難いものです。
 それがあっても気にならず、自分の行動が自由にできにくかったり気持ち が不安定になったりしなければそれほど心配することはありませんが、それが気になって 仕方なかったり、行動が左右されるようならば、ぜひ主治医に相談してみてください。

I身体症状について

 精神状態と体の状態はとても深くかかわっているので、体の不調が出ることも珍しくあ りません。
 でも、薬の副作用と紛らわしかったり、本当の体の病気であることもあるので 早めに主治医に相談してみましょう。


3.症状が出る仕組みと薬が効く仕組み

@精神病は脳の機能の障害です。

Aストレスによって現れやすくなります。

 精神病の症状は過剰なストレスによって脳の働きが過敏になりすぎ、不安定になること で現れてきます。
 誰であっても、強すぎるストレスがかかれば精神病の症状が出現します が、どのくらいのストレスで症状が出るかは人によって個人差があります。
 例)ちょっと北風に当たっただけで、風邪をひく人もいれば、一緒にいてもなんともない人もいる。同じものを食ペて、おなかをこわす人もいれば、平気な人もいる。
  ストレスに敏感な人でも、ストレスを少なくする工夫をすることで病気が現れるのを防ぐ ことができます。 薬にはストレスを和らげる働きがあります。

B病気になると神経が敏感な状態になります。 

 普段、私たちの神経は、必要な情報とそうでない情報とを分けて伝えてきます。
 コーヒ ーのフィルター紙のように、一緒に入ってくる情報をフィルターの働きで必要なものとそ うでないものとに分けて伝える働さが脳の神経にはあるのです。
 例)宴会のときの会話 そのフィルターに破れ目ができ、よけいな情報も必要な情報と−緒に入ってくる状態が精 神病の状態といえます。
 こうなるとD〜Hのような状態になってしまうのです。
  G引きこもりはこういった状態から自分を守るための工夫としても働くのです。
 薬の中には破れたフィルターの破れ目をふせいで、過敏になった神経の働きを元に戻す 作用のあるものがあります。




    C脳内の伝達物質か関与していることがわかっています。

 精神病は脳をはじめとした神経系の機能の病気です。脳はとても複雑なし<みと働きをしています。
 その仕組みの中に、神経がある情報を伝えていく働きをする「神経伝達物質」というものがあります。
 その神経伝達物質が伝わる⊂とでいろいろな情報が脳に伝わります。その神経伝達物質の量を調整する薬が有効になります。

 

薬の種類  病気への働き 主な脳内物質への作用 脳内物質の働き
抗うつ薬 気分を和らげる セロトニンとノルアドレナリンの働きを強める。 セロトニンが少なくなるとうつ的になる。ノルアドレナリンが少なくなると意欲が低下したり、不安が強くなる。
抗精神病薬 情緒不安定を治す ドーパミンの働きを弱める ドーパミンの働きが強すぎると情緒不安定になり、幻覚や妄想が起きる
抗不安薬 不安を取り除く GABAの働きを強める GABAの働きが悪くなると不安・不眠・てんかん発作がおきる。
抗てんかん薬 てんかん発作を抑える
睡眠薬 眠りを与える

気分と関係する脳内物質

不安や意欲と関係する物質。意欲低下しているうつ病では働きが低下し、活動性が高まっている躁病では働きが上がる。また、不安が強くなると、ノルアドレナリンの働きが強まり、これに伴って動悸がしたり、血圧が上がる。

情緒・意欲・幻覚・妄想と関係する物質。適度な働きをしているとさは気分よく活発に生活ができるが、働きが強すぎると、情緒不安定になり、幻覚妄想が起こる。働きが落ちると、パーキンソン症状がおきることもある。

 ガンマアミノ酪酸の英字略。不安やいらいらを取り除き、眠りに導き、てんかん発作を抑える働きがある。

(C)Thanks Hinaga  General Center for Mental Care's Daycare's stuff "Mrs.nawa"

 

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